やっはー皆さまこんにちは!
今回はVACANCYの裏のボス(笑)倉澤奈津子さんにお話をお伺いしました!
のん:こんにちは!今日はよろしくお願いいたします。
いつもお世話になっておりますが(笑)まず自己紹介からお願いできますか←(のっけからヘラヘラ)
倉澤さん(以下、略称):はい、よろしくお願いします。
NPO法人Mission ARM Japan(http://www.mission-arm.jp/)の理事をやっております倉澤奈津子です。
のん:倉澤さんはVACANCYのスタメンですよね!(笑)
日々どのような利用をされているのでしょうか?
倉澤:私の場合は月に一回「Mカフェ」という、上肢障害者の当事者の心の悩みだったり生活の悩みだったり、もしくは自分が楽しんでいることだったりという情報を発信しながらそれを他の人に聞いてもらったり参考にしてもらったり、また関連者の人達に上肢障害者がどうやって生活しているのか聞いてそこに問題点があったら一緒に解決していったりする場をここで設けさせてもらっています。
VACANCYは私が思い悩んだときに時間を過ごす場所。
もちろんここで事務作業ももちろんなんですけど、オーナーの小山さんと雑談して、その中で私の悩みだったり不安だったりを何気なくお喋りすると、それについて茶化しながらも何気なくアドバイスしてくれたり真剣に話を聞いてくれて。
あとここでお仕事されてる他の方が「後ろで聞いてたんですけど…」って声をかけてくださったり、、
ここに来ると色んな方の話が聞けて、活性化の場所として使っています。
のん:へえぇ…
倉澤:最初は障害者がシェアオフィスを利用できるか不安で、いろんなところ見に行ってもなんとなく違うな…と思っていたんですけどここに来た時オーナーの小山さんが「大丈夫ですよ~。なんか困ったことあったら手伝いますよ」って言ってくれたところがバチッとあったっていうか。
それまで誰にも頼らないで頑張らなきゃと思っていたところに「頼っていいんだよ~」って言われたから、なんかもう物理的なことだけじゃなくて心の悩みもさらけ出しちゃってて(笑)
のん:私が初めてここに来た時からお二人の信頼関係は垣間見えててとても印象に残ってます。
倉澤:兄弟みたいでしょ(笑)
のん:うふふ。すてき。ではMissionの活動内容などなどに触れていきたいのですが…
倉澤:そうですね、最初にやろうと思っていたことは腕がないとか使えないという人たちについて自分もそうだから、助け合い支え合う場というか。いつもはひとりで頑張っている人がたまには愚痴をこぼしたり弱音を吐ける場を作ったつもりだったんだけど、それが必要でない人ももちろんいて。例えばなにか便利なものを作ってみたいとか。
私たちが開発に携わってる電動義手の研究をしているすごいメカニックなエンジニアの人たち、っていうのは私たちからすると本来かけ離れた存在であるけども、
この人たちと一緒に何か出来るっていうのはこうじゃなければできなかったことで。
そこに関われて自分たちに出来ることが見つかってますね。
のん:なるほど。技術者や研究者からしてもMissionのような団体がなければ、実際の使用者から情報を得ること自体難しくなっていたかもしれませんよね。
倉澤:もちろん障害者当事者同士が仲良くなって助け合っていくことも大事だと思うんですけど、傍らで大学などで研究者たちがすごいことをやっているのにあまりこちら側に伝わってこない、なかなか知ることができないんですよね。たとえ直接その研究結果が私たちにかえってこなくてもそんなことをしてくれているんだ、って知るだけで支えになります。
のん:夢がありますね…!今一番夢を持っている活動はなんですか?技術的なことで…
倉澤:いつもは義手についてなにかアプローチしてるんですけど、今取り組んでいるのは、例えば私みたいに肩がない人のための肩パッドの開発。あと片手で子供たちが遊べるようなおもちゃや子供用のものに関連する人たちがいっぱい集まってきてくれて、それがもしかしたらモノにならないかもしれないけどやってみなきゃ分からない、作ってみなきゃ分からないというところでやろうとしていることがすごく楽しくて。最終的に売ろうとするとやっぱり一歩踏み出せないところもあるんだけど、あとあとの一歩はそのとき考えようみたいな感じでとりあえず作り始めてみようかっていうことをいまやってて。技術者の方々と一緒に開発してます。
のん:楽しそうー!クリエイティブ!
倉澤:そうなの。ほんとだったらクリエイティブな領域に足を踏み入れるような人間じゃないのに障害をもったことでまた新しい人たちと関われて。
のん:新しい世界が拡がったわけですね!
倉澤:そう。だから特別感がある。しっかりやりたいなと思う。もちろんNPOに集まってくれる人たちは仕事や学校に行きながらだからそこでしっかりゆっくり進めてる、っていうのが居心地が良くて。これがお仕事になると大変だと思うけど、NPOていう枠組みは、ゆるいけれどもみんなの夢が詰まってて…
のん:素敵ですね。着実に形に近づけていくっていうことはすごくやりがいあるでしょうね。完成はいつごろの予定ですか?
倉澤:夏にはと思っているけど…。うまくいくかは分からないけど、嬉しいことに関係者がズルズル芋づる式に繋がって、すごい方まで辿り着いてしまって、そこにこんな私が嬉しくもド緊張しながら挨拶しに行ったり… 新たな繋がりが出来て楽しいです、すごく。
のん:Missionは夢のある団体だということがよく分かります。
倉澤:もちろん障害があることは大変なことが多いけど、みんな別に悩んでないし(笑)
悩んでることはあるかもしれないけど、それは流れていくものであって、その先に楽しいことだったり集中できることがあれば乗り越えられる。手の使い方にも慣れていくし、、
私も去年より確実にイヤな気持ちじゃなくなってるし、もっともっと前の自分からしたら「え、そんなことが出来るようになったの?」っていうくらい今は自分のなかで納得できるようになった。
できないことがみんなの悩みっていうんじゃなくて
こんなことやりたいんだけどどうすればいいのっていう夢をMission ARMでやっていきたいかなって。
のん:私は外から皆さんの活動を少し拝見させていただいてますが、みんながその状況を肯定して楽しんでるっていうのがとても素敵だなって思います。
始まりはネガティブな要素を減らすためだったのがどんどん新しい、楽しいことを探すっていう方向に自然に向かっていったんですね。
倉澤:そう…悩み苦しんでいたのは私自身で、そういう支えになる場所が欲しくて作ってNPOにして…てしてたら悩み苦しんでいる人の周りに強い人たちが集まって引っ張り上げてくれて。ここに実際来られない事情がある人からも「行ってみたい」という連絡をいただいたりするときにやってることは間違ってなかったなと。私がもともと強いのではないけど、へこたれないで来れたっていうことは同じように苦しんでいるひとに少しでも伝わっているのかな、と。
のん:すごく心強い存在だと思います…!
倉澤:私がいちばん助けられてる(笑)
のん:私も勇気をもらっています。人生どんな状況でも楽しもうという心意気が大事なんだなと。
倉澤:そうそう、楽しんだモン勝ちです。
のん:このブログを通して何か伝えたいことありますか。
倉澤:意外と障害者のひと、社会で頑張れるよって…いや、別に頑張ってるんじゃなくて普通に。もっと大変な障害もあるだろうけど、私たちにできることはあるし。
たまに若い子が「社会が受け入れてくれない」って悩んでたりするんだけどそうじゃなくて、お互いにもっとオープンになれる。VACANCYみたいに。世の中にオープンなところがどんどん増えてくれればいいなって思います。オープンに受け入れてくれる所でなければ逃げちゃえ(笑)
のん:それもひとつの手ですよね。
倉澤:相手が障害者だから言っちゃいけないこととかやっちゃいけないとかって気を遣うかもしれなし、私たちも頼んでいいか迷ったりするけど、話してみたら案外「あ、なんだ」みたいなことってあるんで。大事なのはコミュニケーションかな、やっぱり。
のん:そっか。気を遣って声をかけなかったり、そういうのは一番もったいないですね。
倉澤:うん、いきなりはお互い難しいかもしれないけど、よく見かけたりする者同士だったら一度声をかけてみてほしい。
声をかけてくれると心が許せるから。
のん:すべての人間関係に言えることですね。
のん:倉澤さんは大体なんでもおひとりで解決されてますけど、なんか不便に感じることってありますか?
倉澤:雨の日かなー。
のん:あー、、傘とかねー。
倉澤:便利なものを作るにもけっこうコストかかって高価になっちゃったりするから…
もしそういうひとを見かけたら傘たたみますよ~とか声をかけてほしい。
のん:雨の日ってただでさえ視界が狭くなりがちですもんね…
これからは気をつけて周り見てみよう~。
倉澤:最近ファッションショーに出たの。
文化服装学園の生涯学習のオープンカレッジで。障害者のためのオシャレを考えようっていう講座のOBたちが出たんですけど。
私は自分の腕の3D模型をモデルの男の子に持ってもらって、昔の堅い装具をつけて歩いてその装具を捨てるように投げてもらって、そのあと自分は一緒に研究してる人に作ってもらった肩を付けて一緒に歩いて…
倉澤:本来なら隠すものかもしれないんだけど、その隠すためのものを作る人たちにもアピールしていきたいと思って。
自分の身体のない部分をなぜわざわざ見せるのかって不思議に思う若い人とかもいると思うんだけど、やっぱり見せることで響いてくれる人が少なからずいるので…
作る側の人たちが頭の中に置いといてくれれば将来的に障害者のためでなくて、コレ片手のひとのための服にもなるよね、っていうユニバーサルファッションのアイディアが生まれていくんじゃないかな。
何かを作っている人に対して私たちみたいな存在がいるよ、って投げかける活動を地道にやっていきます。
のん:すてきです…(何回も言ってる)
倉澤:わたしもっと若かったらダンスがしたかったの。脚のないダンサーもいるじゃない?
ない部分を隠さないで身体表現みたいなことできたらいいなって。
のん:それは絶対やってほしいー!
先日ミロのヴィーナスを観たときに思ったんですけど、人体の美しさって無限だなあと…
五体揃っていることや整っていることが美しさの基準ではないですから。
倉澤:腕が有る無いということではなくて、そのひとそのもの、なんだよね。
ダンス含め芸術の分野でもスポーツでも、片腕だから、、人と違うから、、そういうところには行けないわ、じゃなくて。
のん:失礼を恐れずに言うと、ある意味無いということがその人自身の強力な特徴や魅力になり得ますよね。
片手のダンサー超かっこいいと思う!今からでもやればいいのにー!!
倉澤:この年じゃできない(笑)
あ、でも私がいま挑戦したいのは、もともとやっていたピアノ。弾き語りとか連弾とか!
のん:あ、いい!やりましょう!可能性無限!
倉澤:私じゃ叶えられなくても、コレやりたいアレやりたいって色々言ってることが腕のない子供たちにとって提案になればいいなって。
のん:腕のない子供だけじゃないです。私にとっても倉澤さんは勇気をくれる存在です!
輝いてるもん!
倉澤:毎日たのしいです。
のん:VACANCYきっての美魔女として名高い倉澤さん(笑)ですが、その美の秘訣は?
倉澤:微魔女じゃなくて?(笑)
でも手術してすぐはずーっとひきこもりの生活してたんだけど、こうやって外で活動することを始めて佇まいや身だしなみには気をつけてる。
ちゃんとしないと言ってることとやってることにギャップが生まれちゃう。それが一番イヤだから。そして、ちゃんとしてる中にも自分らしさを取り入れるようにしてるの。
こうなったら個性的に!
のん:いつも綺麗にされてるなあ…と。見習わなくては。
最後にVACANCYに一言モノ申していただけますか!
倉澤:ここではお仕事関係だけじゃなくて、月一の『ご縁の会』のおかげで外で飲みに行く仲間もできたり、どんどん縁が拡がってる。感謝しております。
のん:ありがとうございます!今日はお時間いただいてありがとうございました。
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