メリー・クリスマス!
今年も残すところ、1週間となりました。
2020年は皆さんにとって、どのような年でしたか?
私はやはりコロナ禍に影響を受け続けた1年でした。
東京オリンピックが延期となり、緊急事態宣言が発出され、渋谷や新宿でさえ人通りのない閑散とした状況が続きました。
1年の世相を表す「今年の漢字」が「密」になるなんて、誰が予想していたでしょうか。
生活様式も大きく変わりました。
今ではマスクを着けていないと浮いてしまうくらいマスクの着用は当たり前ですし、仕事でもたくさんの会社がリモートワークを取り入れ、会議はもちろん飲み会でさえオンラインで行うことも多くなりました。
2020年を振り返ってみると、選択することに物凄くリスクが付きまとう日々でした。
スーパーや外食に行くのにも「コロナウイルスに感染してしまったらどうしよう」とか「田舎に帰って感染を広めてしまったら……」とか、普段何気なくしていることも1度踏みとどまって考える必要がありました。
感染リスクを天秤にかけて、それは本当にやりたいことなのか、必要なことなのか考え、1つ1つの選択を丁寧にしていく。以前まで「何となく」「まあいいか」と曖昧に行っていたことを、踏みとどまって考えることで、余分なものが削ぎ落とされ、何を大切にしたいのかが見えました。お家に篭ることで、自分自身と対話する時間が多くなり、自分をより深く知ることができたと感じています。
その一方で、意思に反して失ったものもありました。
留学が延期になり、家族の仕事もしばらくお休みになり、長年通っていた大好きなお店も閉店してしまいました。どうすることもできず、悲しくて悔しかったです。でもそれは私だけではなく、多くの方がコロナ禍によって、何かしらの大切なものを失ってしまったのではないかと思います。
先日、ベイカンシー利用者の小林高行さんにインタビューを行った際、おっしゃっていたことがあります。
「当たり前だと思っていたことがなくなっちゃうじゃないですか。それがずっと自分の中にあって、明日は同じとは限らないし、明日生きているかどうかも確約はできない。だからできるだけ分散しといた方が、人生のリスクヘッジになるし意外とそれぞれ効果があるんです。」
今回のコロナ禍で、人生で初めて、当たり前が大きく変わる体験をしました。
そんな中で、私の足の踏み場になったのはベイカンシーでした。
ここでは「居る」ことが仕事です。働き始めて3年になりますが、週に1回、ベイカンシーに居るということが、心の支えの1つになっていると実感しました。
ベイカンシーに行けば誰かに会え、気軽に悩みを相談できます。実際に、個人事業主や会社を経営されている利用者さん同士で現状についてお話したり、体験談を交え、補助金の申請方法や支援情報などを共有されたりしていました。予測できない緊急事態に、一人では解決しづらいような問題や不安を共有し解決していけるのはコミュニティの良さだと強く思いました。
また、新たな出会いもありました。会社がリモートワーク中心になったためベイカンシーを利用してくださった方や、オンライン会議ができる場所を探して訪ねてくださった方など、コロナ禍がなければ出会えなかった方々とお会いできました。
何人かの方にインタビューの機会もいただきました。お話を伺うと、ようやく夢が実現するという時にコロナ禍でほとんどのイベントが中止になってしまった方や、東京オリンピックで大きな需要があったはずの事業が赤字になってしまったり、其々が苦悩に直面し、コロナ禍でどう生きていくかを模索されていました。
不安なのは私だけではないのだと思えましたし、それぞれが大切になさっている考え方やお言葉を伺うことで、「これでいいんだ」とか「こうしていこう」とふらついていた足元を確かめ固めていくことができました。
足の踏み場がたくさんあった時には意識していませんでしたが、それが無くなったり、ぐらついたりした時、安定してそこに居てくれる場所があることの有り難さを感じました。
オンラインが主流になり、自宅にいてもパソコンや携帯一つで誰とでも繋がれ、仕事や勉強もできる便利な時代になりました。リアルで繋がる機会が減ってきている中で、そこに行けば誰かが「居る」ベイカンシーは私にとって貴重で大切な場所だと実感した1年でした。
皆さんにとってもベイカンシーが安心して利用できる居心地の良い場所であるために、過ごしやすい環境作りと何よりも感染症対策を徹底してまいります。
2020年も大変お世話になりました。
暗いニュースが多い中で、ベイカンシー内では利用者さんの明るいニュースもたくさんあり、寒い冬も越えていけるくらい心がぽかぽかになりました。
2021年が皆さんにとって素晴らしい年になりますように。
来年またお会いできることをスタッフ一同、心より楽しみにしております。
それでは、良いお年を!